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いろいろと備忘のための

ヴェーベルン《弦楽四重奏のための五つの楽章》作品5

久しぶりにヴェーベルンを聴いてみました。この《弦楽四重奏のための五つの楽章》は初期のヴェーベルンを代表する作品の一つで、言及されることの多い作品です。個人的には、第2楽章、第4楽章あたりの静謐さが好きです。無調ではありますが、表現主義=内面の表出というか、意外と後期ロマン派からの連続性が顕著なのではないかと。
無調による作曲というのは、人間の手による秩序からの逸脱*1というか、音響が自生的に秩序を生成していくかのような、そんな印象を受けます*2。…実際には、これは非常に精緻に構築された音楽なので、あくまで聴いた印象、ということなのですが。

*1:すなわち、機能和声からの逸脱、というだけのことなんですけど笑

*2:先に言った「内面の表出」ということと矛盾するようですが…