archives of me.

いろいろと備忘のための

Mouse on the Keys『An Anxious Object』

an anxious object

an anxious object

珍しく日本のアーティストを取り上げます。あのtoeが主宰するレーベルからのリリースもあるMOTKの2009年リリースのアルバムです。
正直、このバンドのジャジーさは、ジャジーヒップホップとかクラブジャズのような安易さを感じて、長く聞き込むに耐える強度は希薄に思います。ただまあ、聞きやすいですし、最近は割と軽い、聞きやすいものが気分(あまりディープに音楽に浸りたい気分ではない)ので、よく聴いています。
ジャズやミニマルミュージック風味のピアノに、ハードコア上がりのポストロック風?なリズム隊がくみあわさった感じ、というのでしょうか。都会的なセンスで、ドライブにも合いそう。ピアノのテイストから、坂本龍一が好きな人にもおすすめできます。
個人的には、最近クラシックや電子音楽よりもビートのある音楽が気分ですので、かなりロックテイストなドラミングは、快楽的で心地よいです。
このバンド、私は友人の誘いで一度ライブを見たことがあるのですが、モノトーンな映像を駆使して独自の世界観を作り出しており、格好よかったです。
最初に苦言を呈しておいてなんですが、なんともいえない都会的な、少しダークな世界観はかなり好き。独自の世界観といっても、こういったポストロックにありがちな誇大妄想的な感じではなく、ほどよくカジュアルなさじ加減が好きです。ただ、なぜか、すごく安易な音楽に聴こえる瞬間もあるんですね。
トータス以来、ポストロックというジャンルはギターの存在が記号的な役割を担ってきたように思います。しかし、このバンド(ユニット?)の場合はギターレスですしギターが入る曲も(おそらく)皆無で、それでもポストロックと呼んで違和感がないのは、やはりドラムのビートの存在が大きいのではないのでしょうか。これが打ち込みのブレイクビーツだったり、ジャズのビートだったりしたら違うジャンルに聴こえるはず。