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いろいろと備忘のための

司馬遼太郎『関ヶ原』

関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)

関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)

上巻を読了。

会社の先輩の勧めで、先に『城塞』の方を読んでいたので、三成など関ヶ原で死んだ人以外の人物像は大体把握した状態で読み始めました。願わくば、『関ヶ原』から先に読みたかった。『城塞』なんて前半は家康以外の登場人物が地味で、ちょっと楽しみづらかったですからね。

よく司馬遼太郎は家康嫌いと言われますが、個人的には秀吉に並ぶとも劣らず魅力的に描かれているように思う。様々な策謀を繰り広げる様は、例えは悪いですがデスノートとかみたいで痛快です。

司馬遼太郎の長編作品を読むのは『播磨灘物語』、『城塞』に続いて三作目となるが、この超が付くほどの国民的作家の作風というか作家性というのがどことなく見えてきた気がする。様々な人間模様の交錯、それがドライかつフラットに描かれている。人間観察というか、人、について、書を通じて学ぶ、的なところが司馬作品に通底する魅力であり、また、ビジネスマン等大人が嗜むべき娯楽、とされている所以なのかなと思っている。描き方がどこまでも中立的(に私には思える)でドライなので、時代小説といってもいかにもな仰々しさがなく、そういうところが現代においても読まれ続ける理由なのかなと。個人的にも、日本史とかもともと興味なかったので、仰々しい感じだったら読破できなかったでしょうね。

ただ(批判するつもりは全くないけど)、女性の描き方についてはどうしても不自然というか、ここまで人間をつぶさに描き切る作家ながら、女性についてはリアリティがなくてアバターになってしまってますね笑 家康の伽のシーンとかは別にあってもいいんですけど、三成と初芽のピュアラブとかはあんまり見たくなかった笑。ほんと、女性の描き方については、村上春樹のような感じがします。まあ、そういうものまで司馬遼太郎に求めたところで仕方がないんですけどね。

まあ、これほどの作家の作品って、歳とってからでも楽しめるだろうし、今のうちに出会うことができてよかったなあと思う次第。戦国はひと段落して、幕末ものでも読もうかなあ。読むなら、関西舞台の作品があったらいいなあ。 あと、東大阪にある司馬遼太郎記念館は自転車でいってみたい。

あとね、余談ですが、とうじの大阪城の敷地って今よりずっと広くて、例えば南側の門はいまの本町あたり?だったかな?まであって。なんでも10万人を収容できたらしいです。当時の大阪の地図を見て見たいのですが、ネット上には簡易的なものはあってもなかなか見つからず。どっかそうう類の資料館でもあれば見に行きたいです。

ブルゾンのサイズ感

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いずれもゾゾタウンからの画像ですが、こちらを比較して思うのは、ブルゾン系のアウターってサイズ感によってきこなし感が全く違う印象になってしまうなということ。ブルゾンに限ったことではありませんが。上の画像は、スタジャンが非常にコンパクトでデニムがルーズという、Aラインシルエット。スタジャンのこのコンパクトな着こなしはモダンな着方というか、トラディショナルな着こなしではないですね。個人的にはパーカーにせよブルゾンにせよレザーライダースにせよ、こういうサイジングが好みです。ある意味、お兄系のブランドなんかはこういうサイジングが多いんですけどね笑。

ただ、話は変わりますが、テーラードジャケットでショート丈でコンパクトなものは大嫌いです。テーラードジャケットに関しては、タイトかつ着丈はしっかりあるような、シャープさとトラッドさを兼ね添えた物を探してるのですが、なかなか見つかりません。まあ、セレオリとかハレとかしか見てないから、もう少し価格帯を上げて探すべきなのかな。

広木隆『勝てるROE投資術』

広木隆『勝てるROE投資術』読了。

内容としては、前半は、テクニカルな内容ながら、ROE、PBR、といった投資指標についての解説なのですが、教科書的な味気ない公式の説明ではなく、生き生きとした文脈のなかで、企業を実際に分析して行くときの指標の使って議論を進めていくような内容です。

さすがにこの本の分量からして序論的な内容にとどまってはいますが、こうして文脈のなかで実際に投資指標を使いながら議論しているので、単なる用語の説明よりも理解しやすいです。

各指標について、実際に決算短信四季報を広げながら自分でエクセルで計算式を作りながら分析してみたいと意欲にかられます。各指標の説明もようやくちゃんと理解できた次第。入院生活じゃなかったら読めてなかったであろう本なので、多少は時間を有効活用できてるのかな。

(ちなみに245ページある本ですが、前半はメモを取りながらじっくり、後半はコラム的な内容なのでえいやーっと読んだので三日間、たぶん7時間くらいかけての読了となりました)

アベノミクス効果でもう十分株価が上がってしまい今から投資を始めるのもどうかなとも思っていましたが、最後にはきっちり株式投資を煽る内容、ポジティブな内容にもなっている。

良かれと思ってやってもうまくいかないこともある。なんとなくやって、たまたまうまくいくこともあるをだけど、長い目で見れば、やっぱり、ちゃんと、真っ当に考えてやった方が、うまくいく。(233ページより引用)

ちなみに筆者の広木隆さんってニュースモーニングサテライトによく出演されていますよね?なんか名前は聞いたことある。読了してから気がついた。

勝てるROE投資術

勝てるROE投資術

セットアップ

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画像はWEARアプリより。ラウンジリザードの公式アカウントが何かなんですが、この人の着こなしがどれも素晴らしいです。WEARではなかなか好みの着こなしの人は居なくて、ファッションスナップにありがちな極端な人が多いんですがこの人は素晴らしい。このセットアップにインナーダウンベスト(ここではアウターとして使ってますが)というあわせですが、セットアップのサイズ感が完璧なので、ビジネススタイルに見えないして、ロックなナロータイにスニーカーのっていう往年のエディスリマン的な合わせ方でカジュアル寄りにバランスをとっていて、ベタだけど素晴らしくカッコイイです。こういうの見るとやっぱりおしゃれは個々のアイテムのデザインじゃなくて、サイズ感と、ドレスとカジュアルのバランス感覚で成り立っているんだなと。ドメブラ系キレイ目の理想的な着こなしですね。

スニーカー選び

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プーマのトライノミック ディスク。こういう感じのスニーカーをチェスターコートとかステンカラーコートの外しとして欲しい。

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別の型のスニーカーではありますが、履いた感じはこんなイメージで。ジャストサイズ気味に履けば、極細身のスキニーにもあってくれそうかな。したの写真は、たぶんリーボック

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でも、ロングコートを着ると上半身にボリュームが出るので下半身は出来る限りすっきりまとめたい。 だから、こんな感じでバンズのエラ のコアスケートラインのモデルなんかもカッコイイです。

本当は白のスニーカーが欲しいんですけど、今のところこうほになるようなものは見つかってません。

ちなみに今はニューバランスの1300 の黒を愛用。

2014読書 3 吉川洋『デフレーション』

デフレーション―“日本の慢性病

デフレーション―“日本の慢性病"の全貌を解明する


読書3冊目。正直言って本書の印象はあまり良くないです。構成がいびつで、なんか体系的じゃない感じがする。確か、戦後の日本の経済政策のダイジェスト的な箇所は面白く読めたが肝心の筆者の主張(金融緩和懐疑論的な)のところがチグハグしていたような印象。いろんな本屋で平積みになっていて話題になった本ですが、金融政策論最初の一冊にはあまりお勧めできません。

2014読書 2 クルーグマン『良い経済学、悪い経済学』

良い経済学 悪い経済学 (日経ビジネス人文庫)

良い経済学 悪い経済学 (日経ビジネス人文庫)


2014年の二冊目。今年の上半期はほとんど経済学、金融政策絡みの本ばっかり読んでました。逆に下半期はあまり読んでない。
昔は、世の中には日々無数の本が出版されてて、特にビジネス書や経済書なんかはブックオフとか言ってもすごい量があるから、それだけ世の中のあらゆることが本になっているような感覚があったけれど、いい大人になった今はあんまりそういう世界観は持たなくなりますよね。、、言ってることわかりますかね?

金融政策と一口に言っても確かに年間無数の本が出版されてて、いろんな本があるんやけど、その中には、著名なエコノミストがやっつけ仕事で執筆したものもあれば、論文のように練り上げられた本もある。俯瞰すると実は内容的には数種類に分類されてしまうことができるんやと思う。私は多読家ではないからわからないけど。
例えば金融政策であれば、リフレ派か、反リフレ派なのか。反リフレ派のなかには、経済学の範疇から批判するひと(ケインジアンだったりリバタリアンだったり)、経済学の外から独自路線で批判する人(藻谷浩介とか)、だいたいこの三種類で分類できるかと思う。

金融政策に関する本をある期間にまとめて数冊読んだことで、上記のようなことが理解できたし、おかげで同種の経済書については、読むべき本をしゅんべつできるようになった気がする。そのへんが、この上半期の読書を通じてわかったことですね。

クルーグマンといえば、量的緩和の理論的始祖であり、イケイケ押せ押せの金融緩和推進論者、っていうイメージで後に読んだクルーグマンのインタビューをまとめたPHP新書『そして日本経済が世界の希望になる』においても、ノリノリでアベノミクスに賛辞を送っています。
ここまで終始ポジティブな論調の経済書というのも珍しく、就活でモラトリアムな気分の学生とか、日本経済の閉塞感から夢が持てない思春期の中学生に読ませてやりたいくらいですね。(っていうか、自分が10代のころにこういう本を読んでいたらだいぶ考え方ちがったんじゃないかと思うw)

以上、本の内容とは一切関係ないことばかり夜中のハイテンションに任せて書いてしまいました。本書の内容にも触れておきましょう    本書は90年代にクルーグマンが雑誌などに残した論文やコラムをいくつかまとめたもので、基本的には、自由貿易論です。TPPなど貿易論を理解するには、リカード比較優位論という中学生でも学ぶ内容がやはり最も重要になります。あたりまえのことをバカになってちゃんと理解しようとすると、あたりまえのことの本当の大切さを理解できる。っていうのが自由貿易論なのかなと。そんな風に思う次第です笑