archives of me.

いろいろと備忘のための

音楽聴取における極私的パラダイム・シフト(?)

そういえば最近、音楽に感極まるような、感情的な高まりを余り感じない。それよりは「ああ、そうだよな」というような納得する、腑に落ちる感覚が多い。知的興奮と言っていいのか解らないが。(なんとなく、グレン・グールドの発言《芸術の目的は、瞬間的なアドレナリンの解放ではなく…》が思い出される)


そのような大きなパラダイム・シフトは、やはりクラシックを本格的に聞き始めたことが要因なのだろう。当初はこんなに急にクラシックにのめり込むとは思っていなかった。ブログ立ち上げ当初は、「クラシックとジャズを、そろそろちゃんと聞いておきたい」と思っていて、むしろクラシックに本格的にいくまえに、ジャズにどっぷりとはまるのだろうかと思っていた。

不安なのは、この変化によって、自分で曲を書こうとか、受け手ではなく作り手でありたいという気持ちが失せてしまったことだ。ギターを弾く気にも全くならない。「弾きたくない」というよりは、アウトプットする意欲よりも聴きたい/知りたい/インプットしたいという気持ちが勝っている。

我々はしばしば、「現在」を特別視しがちだと思う。社会レベルで言えば、「今は時代の変革期だから。。」みたいな文句は私が知る限り常に言われていたように思う*1。それと同様に、自分自身についても、誰しも「今の自分はいい方向に向かっている」と思いたいのが人情であろう。これからどうなっていくのかは解らないが、後から振り返ったときに、今が自分にとってやはり特別な時期であった、と思えればいいなと思う。

*1:100年に一度というが、前例のない経済危機は10年に一度くらい起こっている、という意見もある。ここでは特に経済について言ってるわけではないが。