『メタシアター』L.エイベル著
- 作者: 高橋康也,大橋洋一,ライオネル・エイベル
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 1980/11
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●かなり面白い。人に教えてもらったのだが、ちょうど今の自分の興味(これまで何度か触れてきた「物語」について)に連なる内容。やはり本は積極的に探した場合よりも、ふとした偶然やきっかけがある場合のほうが、印象に残りやすい。
●追記。この本は、図書館で借りてからしばらく手がつかずほったらかしにしていました。『1Q84』を読み、漠然と感得したことが、この本のテーマ――「本書で私が試みたことは二つある。現代の劇作家にとって、悲劇と言うものがまったく不可能ではないにしてもこれほど困難な形式になってしまったのはなぜか、その理由を説明すること。いま一つは、悲劇に匹敵する哲学的形式を備えたもう一つの演劇の本質について示唆を与えること。」(そしてそれが筆者のいう「メタシアター」である。「序」から引用)と重なるところがあるように思えた、というのがこの本を読む絶好のタイミングになりました。実際、検索してみて改めてわかったのですが、『1Q84』がこれまでの作品以上にメタ小説的であるということは色んなところで指摘されているようです。